インタビュー

オリジナル高性能パネル「e-panel」開発担当者インタビュー

オリジナル高性能パネルe-panel開発担当者インタビュー

人に地球にやさしく。
建物ができること
フィアスホームがたどり着いたのは
e-panel(イーパネル)です。

開発の背景を教えてください。

安心・安全・快適に必要な住宅とは、未来を見据えてました。日本は地震大国が故に建物の耐震化は関心が高く、住宅性能としてあたり前の品質となるよう推進が図られてきました。断熱性においては、軽視され、世界各国と比較しても未だに遅れています。1999年品確法の試行により住宅の断熱性や耐久性など耐震性以外の性能についても質を求められる時代へと変化してきました。私たちは時代を先取りする形で品確法の試行前からパネル住宅の開発・製造を始めていました。日本の基準を満たすのは当然ですが、断熱性において世界の基準を満たすことが将来求められると考えたからです。

なぜパネル工法だったのでしょうか

地域ビルダーの加盟店とともにこの高性能住宅を普及させるためです。在来工法と呼ばれる木造軸組み工法をベースにすることで浸透しやすく施工性を高められると考えました。耐震性を高めるために筋交いではなく構造用合板を使用したパネル工法と(構造用集成材と金物工法で構成する)木造軸組み工法のハイブリット工法を選択しました。断熱性においてはたくさんの種類の断熱材が流通していますが、現場の施工性・施工品質のばらつきを抑え素材の性能値を施工後も損ないにくい樹脂系の断熱材を採用することとしました。性能を求めた結果、オリジナルの断熱パネル「e-panel」を開発へとつながりました。

現場施工性とは具体的にどのような点でしょうか

パネルは協力工場で構造用合板と断熱材を一体化する施工をしています。工場では柱、間柱に密接するようにパネルを生産するため邸別にハンドメイドでの生産を行っています。現場では構造用集成材(柱・梁)と金物工法で強固に接合し、躯体自体の精度を高めます。建物の耐震性を高めるとともに躯体とパネルがぴったりと隙間なく施工することで可能にします。

金物工法
e-panel(イーパネル)

やわらかい断熱材を現場で施工することと違い既に成型された断熱材を充填するためバラツキが生じにくいことが特長です。正しい位置に正しくパネルを設置するだけで済みますので、施工する職人の熟練度を要しないです。
また、工場で施工することで現場で発生するゴミを極力減らすことができます。ゴミの削減は環境にやさしいだけではなく、整理された現場を実現できますので工事のしやすさ、安全な現場確保につながっています。

オリジナル高性能パネル「e-panel」
オリジナル高性能パネル「e-panel」
オリジナル高性能パネル「e-panel」

工場生産の高品質パネル

現場での施工の様子
現場での施工の様子

現場加工が少なく施工精度が極めて高い

サッシ周りの断熱・気密補修
切り欠いた部分の断熱・気密補修

サッシ周りやパネルの切り欠いた部分には、断熱・気密補修を行います

施工完了

断熱材で建物を隙間なくすっぽり覆う

その他に特長はありますか

性能を重視するお客様のご不満として伺うお話としての多くは、性能の高さを確保するために窓などの開口部が小さいことだったり、大きな吹き抜けが作りにくいといった間取りや意匠性に制限がでることでした。当時確かに高気密高断熱住宅と言えばそのようなことが常識だったと思います。フィアスホームのe-panel開発ではそうした負のイメージを払しょくすることを目指しました。
そのため、2000年頃の旧断熱基準時代では断熱材の厚みを利用した真壁の意匠を採用しました。また、開口部の断熱性が劣らないように工夫をするとともに自然エネルギーを有効活用するパッシブ性を高める3Dウィンドウを採用するなど創意工夫を行いました。開放的で自由な高気密高断熱住宅を示せたと思います。

すべり出し窓を開けた状態
すべり出し窓を開けた状態
すべり出し窓を閉めた状態
すべり出し窓を閉めた状態
吹き抜け

間取りの自由度などはよく聞く特長だと思いますが何が違うのでしょうか

残念ながら自由度が高いということはどのような工法でもうたうことが可能です。家の性能の低さを冷暖房で補うことができれば、自由度が高く快適にすることが可能だからです。我々が重要視しているのは快適性を少ないエネルギー消費で実現することです。たくさんのエアコンを設置して温度調整を行うことは環境負荷が高く望まれませんし、寒さ・暑さを我慢する新居というのも大きな金額を投資することに見合わないと思います。建てる前にそのような不快な環境になることを把握しないまま計画を進められてご入居し後悔するというお話をよくお聞きします。
フィアスホームでは、お客様のご要望と快適性や省エネ性を両立できるように『快適室温シミュレーション』を実施。外気温の影響の大きな真冬と真夏を例に設計段階でシミュレーションを実施しご確認いただきます。同時に年間光熱費もご確認いただきますので、快適性にかかる経済的なご負担が低いことも事前にご確認いただけますのでご安心いただけます。快適性という主観的で目に見えないことですので、ご確認せずに依頼先を決めてしまう方も多いようです。しかし、数十年とお住まいになる上では最も重要な性能ですので見える化し、ご納得いただけるように努めています。この点がご計画を進めるメーカーによって違いが出る点だと思います。

快適室温シミュレーション

そうした考えを普及するのは難しいのでは?

そうですね。本部としては住宅商品として設定し、技術と知識を加盟店と共有するために勉強会を実施しています。同時にそうした技術や知識を活かして建築されたお客様の家を対象にしたコンテストを実施しています。コンテストを通じてお施主様と実現した理想の住まいを元に新しい発想やイメージを払拭する意匠性を共有し多くのお客様の住まいづくりに活かすようにしています。こうした知識の集約と共有こそFCビジネスだからこそ可能にする強みだと思います。

今後どのような活動をお考えですか

日本の住宅の断熱性は世界に遅れています。そして、日本人は暑さにも寒さにも我慢する生活を強いられてきました。熱中症やヒートショックなどの健康被害と住宅の断熱性は少なからず関連性があると思っています。健康との関連性は確立されていませんが我々は関連性を信じ、人にも地球にもやさしい家づくりを目指してe-panelをさらに極めていきたいと思います。

答えてくれた人

オリジナル高性能パネル「e-panel」
開発担当者

オリジナル高性能パネル「e-panel」開発担当者
オリジナル高性能パネル「e-panel」
開発担当者