おうちを演出するちょっとした工夫 後編

おうち時間を素敵に演出して、生活に潤いを与える、ちょっとした工夫についてご紹介します。
InstagramなどSNSを利用してアイデアを収集して自宅に取り入れているご家庭が多くいらっしゃるようです。今回ご紹介するものは「おうちを演出するちょっとした工夫」と言っても、建築計画の際に少しばかり工夫を加えて計画する事で素敵なお部屋にするアイデア集といった形です。

Contents

「ニッチの演出」テクニック

ニッチは玄関・廊下・リビング・寝室など、おうちの中の様々なスペースを演出する定番アイテムと言えますが、今回は少し工夫した例を3点ご紹介します。

写真1
写真1
写真2
写真2
写真3
写真3

【写真1】は、広めの玄関ホール~廊下に設けた縦長の大きなニッチで人の背くらいの高さを持たせたものです。訪れるお客様などがハッと驚いて、さらに感動していただくような効果を狙っています。 写真のようなお花などを置く事で、華やかな演出を行えます。

一般的には縦長のニッチが良く見受けられますが、【写真2】は逆に縦方向の寸法を小さくし、横長の(それもかなり長い)形にしたものです。
白く広い壁面とニッチの細長い形のアンバランスな面白さを狙った計画です。 奥の壁面のクロスは少しシックな柄物を選び、照明を仕込んでかわいらしい鉢や小物を飾った時の演出ができるようにしてあります。

【写真3】は少し趣きを変えたニッチです。
腰壁・天板部の一部に突板の仕上げ材を使い、壁面にはパープルのクロスをあしらって和モダンのデザインとしました。

「装飾」テクニック

現代の木造住宅では構造上、大黒柱を必要とするものではありませんが、おうちの中心としてシンボリックな演出を行うためにリビング・ダイニングに作った現代風の大黒柱が【写真4、5】です。
当然、ムクの柱ではありませんし、この太い柱で構造を負担しているわけではありません。 突板(つきいた)の仕上げ材で本来の構造用柱をくるむように作られています。
家の中心で子供さんの成長をじっと見守ってくれているような、(構造的にはともかくも)どっしりとして視覚的に頼りがいのあるアイテムとして有効ではありませんか?

写真4
写真4
写真5
写真5

「カーテンボックス」をすっきり見せるテクニック

通常、カーテンボックスはカーテンたまりをとって窓周りのみ一部天井を折上げたり、ボックス状で造作する場合などが多いのですが、【写真6、7】では壁の端から端までサッシが無い部分も含め、大胆に天井を切るような形で計画してあります。写真では少しわかりにくいかもしれませんが・・・。 こういうテクニックを使う事で、天井面やサッシ上に無駄な線や凸凹したものが出る事がなく、スッキリとした印象の空間演出が可能となります。モダンな住宅向きです。

写真6
写真6
写真7
写真7

「モダンな和室の演出」テクニック

写真8
写真8

最近は床の間のない和室も多くなっています。 そもそも和室自体を計画しない場合もありますが、ここではモダンな和室の簡単な演出方法を紹介します。
【写真8】は置き床です。一度、ご紹介した事がありますが、別アングルの写真で再度紹介します。既製品の置き床をポンとタタミの上に置いただけのものです。 特に格式ばった置き方はない(と思います・・・)ので、好きな場所にこの床を置いて一輪挿しなどを飾って、和モダンの空間を楽しむ事が出来ます。気分によって移動する事も出来ますね。の住宅の一連の写真です。

写真9
写真9

書斎というと主寝室の一部にあるお父さん専用のスペース・・・といったイメージがありますが、一年もしないうちに物置になっている確率が高い部屋でもあります。 わざわざ使わなくなる部屋を作るのももったいない話ですが、そうならないように和室の一部に書斎の機能を持たせた例が【写真9】です。
座卓を造作家具であつらえ、座椅子を置いているだけですが、家族で使えるパソコン/読書のスペースとして重宝すると思います。 上の置き床と同様、気分によって机ごと別の場所に移動することも可能です。

写真10
写真10

【写真10】は和室の壁面をタペストリーで演出した例です。本格的な和室では、ちょっと使えないテクニックかもしれませんが、ライトな感覚のモダン和室であれば、あまり違和感なく馴染んでくれると思います。

まとめ

本文でも書かせていただきましたが、アイデアと工夫次第で余りお金をかけずに素敵な演出が可能です。また、住宅を考える際には使う部材や設備の単独のデザインだけでなく家全体の雰囲気の統一感を考える事、また、デザイン性だけでなく機能や使い勝手も考えて計画すると、きっとさらに素敵なおうちになると思います。