失敗しない住まいづくり7つのポイント 前編

住宅は一生に一度の大きな買い物・・・と良く言われます。
注文住宅の場合、分譲住宅やマンションを購入するのとは異なり、新築住宅の場合は完成するまで自分が思った通りに出来上がるかどうか、わからないという不安があります。
そのためには、専門家に自分の希望を上手に伝えたり、キチンと伝わっているかどうか、思い通りになっているかどうか、の確認をしないといけません。
それでは、失敗しない住まい作りのためのポイントについて考えます。

Contents

失敗しがちなポイントとは

一般の方が家作りを計画する時、残念なことによく見受けられる失敗しがちな例があります。

  • 失敗しがちな例(その1):住宅を計画する時、「家作り=間取り作り」 と考えてしまう。
  • 失敗しがちな例(その2):外観デザインや 素敵なリビング、キッチンの計画 便利な設備などを優先してしまう。

家作りは、パズルのように各部屋を組み合わせていくだけのものではありません。また、間取り作りと同時に、どうしても素敵なインテリアや便利な設備の計画に目がいってしまいがちですが、総合的に考えておかないといけない事柄が少なからずあります。
まずは、ご家族の一日の行動、ライフスタイルを思い起こしてどのような生活を送られているかを設計士やビルダーさんにお話ししながら進められるのが肝心です。
ここでは、ご家族ごとに大きく変わるライフスタイルに関する内容を除いて7つのポイントとしてご紹介します。

失敗しない住まいづくり7つのポイント

1, 外観、インテリアイメージを固める

まずは住みたい住宅について、住宅会社の営業マンや設計士さんに伝える必要があります。思い描いている住宅の全体イメージを固め、その上で優先順位を決めて伝えて下さい。写真や文章で具体的に伝える事が大切です。

失敗しがちな例(その3):自分のイメージが相手に伝わらない。

写真1
写真1

住宅雑誌で見つけたお気に入りの写真を切り取って(例えば【写真1】のような)、設計士さんなどに渡すことがあります。
ただこの時、あまり説明をせずにただ「こんな感じのリビングで」程度で写真を渡してしまうと、違った捉え方をされてしまう場合もあります。

違った捉え方

人によってこの写真に対する思いが違っている場合があるからです。
例えば・・・

  • (1)この写真全体が伝えるような夜の雰囲気が気に入っている
  • (2)こんなニッチにお気に入りの絵が飾れるリビングを思い描いている
  • (3)こんなカーテンが似合うインテリアが気に入っている

写真を渡す場合は、いったいどんな思いで写真をチョイスしたのか?、解説付きで渡すようにして下さい。

次に間取りを作ったり、外観デザインを考える前にまず、住宅全体のイメージ作りをお奨めします。建てたいと思う住宅の全体イメージをまとめてみて下さい。【図1】のように住宅雑誌や建売住宅のチラシの写真などで、自分のイメージに近い写真をノートでも何かの裏紙でかまいません。別にきれいに並べる必要もありません・・・、建てたいと思う住宅の全体像がわかるように貼ってみて下さい。

図1
住宅全体のイメージ作り

さらに、大事だと思う部屋の優先順位を決めて下さい。リビング⇒キッチン⇒主寝室などといった形で、自分が重要と考えている部屋の順位をつけておいて下さい。
各室全て思い通りの大きさや設えが出来れば理想的ですが、土地の制約、限られた予算などを考えて、順位付けが必要です。また、ご夫婦それぞれで順位を決めると意見が合わない場合もあります、そんな場合はよく話し合っておくと、打合せの場でもめて時間を浪費するのを防ぐ事ができる

2, 間取りや動線を考える

①で説明させていただいたように、いきなり間取りを考え始めるのではなく、まずは全体のイメージを固めた上で次のステップに進みます。
間取りを考える上で大切な事は「ゾーニングと動線」と「部屋の広さとつながり」です。

ゾーニング

「ゾーニング」は次の三つくらいのゾーンに分けて考えると良いと思います。

  • 1階のお客様(夫婦のご両親を含む)をお通しする可能性のあるリビング、ダイニング、和室等の「パブリックゾーン」
  • トイレ、浴室、洗面所などの水廻り・・・このゾーンはお客様も使う可能性がある「共有ゾーン」です。
  • 2階の主寝室、洋室などの「プライベートゾーン」ゾーニングがきちんとされていないと、生活する上で支障が出る可能性があります。

動線

「朝起きてから出かける」まで、「キッチンからダイニングへ料理を運ぶ」「お洗濯をしながら、料理をする」「洗濯物を干す」など、毎日の生活や家事の動きこのような“人の動きを示した線”を「動線」と言います。部屋と部屋のつながりや「ゾーニング」を考えるうえで大切なものです。自分に合ったライフスタイルや家事動線など暮らしの様々な場面を想像しながら、最終的に図面上を歩くつもりでチェックして下さい。

動線

「各室の大きさを覚えておきましょう」

間取りを作る時には、部屋はグリッドにのせて計画します。
①の赤枠は910㍉モジュールのグリッドです・・・・・例えば②2帖の部屋はグリッドが4つ。4帖半の部屋ならばこのグリッドが9つ、といった形でグリッドにのせる事で家全体が半端な寸法にならずに規則的な形で効率的に計画出来ます。

グリッド

プランを作る時に各部屋の大きさを覚えておくと楽です、下の図は主な部屋の目安の大きさです。最も基本的な部屋の大きさを示していますので参考にして下さい。

各部屋の大きさ

まとめ

今回のまとめです。

  • イメージが相手(営業マン、設計士)に伝わらないと、思ったような間取りやデザインが決まりません
  • 優先順位が決まっていないと、本当に必要な事が反映されない事があります
  • 家族で意見がまとまっていないと不要な時間がかかり、必要な打合わせが疎かになる場合があります

以上、7項目のうち2項目についてお話しました。残りの項目については次回とさせていただきます。

失敗しない住まいづくり7つのポイント、いかがでしたか?
今回は前半を掲載させていただきました。
家作りは一世一代の大事業です、理想の住まいが実現出来れば、愛着を持って気持ち良く長く住む事が出来ます。そのためには、住宅の営業マン・設計士さんなどに最大限努力して自分の思いをぶつけて二人三脚で理想の住まいを作りを進めていただきたいと思います。今回の特集がその一助になれば幸いです。